2018年12月1日、カンスコロバシ右岸尾根を登りました。ここは「山と高原地図」には載ってなく、さらには「東丹沢登山詳細図」ですら破線で書かれていて「自粛要請あり」との注意書きもあります。なのでハイキングとしてここを行くのはオススメしません。
丹沢の大山へ登る一般的な登山道は主に山頂の南側および東側からのびています。一方で、北川と西側からは、いわゆる「バリエーションルート」と呼ばれている道で、道標もほとんどなければ道も整備されていません。
ここが起点となる諸戸山林事務所です。奥に見える鳥居を通ります。そもそも、この山林事務所まではどうやって来るかというと、ヤビツ峠から県道70号を歩いて45分ぐらいのところです。
鳥居をくぐってしばらく行くとこのような標柱が出てきます。ここを左側真っ直ぐ進みます。右側が諸戸尾根方面です。
沢を渡り対岸へ行き、そこから尾根を目指します。ところが取りつきがよく分かりません。地図(GPS)を見ながら尾根に乗ろうとしますが、どこを登っていけばいいのか分かりづらく、今回僕は無理やり急斜面を登っていきました(①あたりの場所)
やっと尾根に乗りましたが、これがまたとんでもなく急登でした。この写真だとなだらかな登りにしか見えませんけど、実際はもっと急です。場所によっては両手を使って這うようにして登るようなところもあります。
こちらの写真の方が分かりやすいかもしれません。後ろ向きにこけたりしたらそのまま尾根を転がるように落ちていきそうです。ちなみに、カンスコロバシという変わった名前ですが、「カンス」を調べると真鍮(しんちゅう)でできた湯沸かし窯という説明が出てきました。そして「コロバシ」は恐らく「転ばし」と書くのではと思っています。
さらに、怪異・妖怪伝承データベースに、「カンスコロバシ」という妖怪(?)が登録されています。津久井・城山地域の言い伝えっぽいです。
この急登を登っている時にそんなことを思い出し、湯沸かし窯が転がっていく様を想像してしまいました。
まずは目指したのがこの13号鉄塔です。上に載せた地図上に送電線の印がありますが、実際は地図の数字の2の辺りまで登ってこの鉄塔にたどり着きました。ここまでが本当に急でした。鉄塔の下でお昼ご飯を食べながら休憩でした。
登ってきた方向を見ると目の前に三ノ塔、そして表尾根が見えます。この位置から三ノ塔を見ることはなかなかありませんね。
平坦に見えますが、ここも結構登っています。やはり写真を撮るときってついつい斜面と平行に撮ってしまいますね。もっと臨場感を出したいものです。ただここは数少ない歩きやすいところでした。
分かりますでしょうか?進行方向左側の尾根からモノレールの線路が出てきました。
そしてこの写真もとても分かりづらいのですが、大山の頂上方面を見ています。そしてここはP1021辺りだったと思います。まだあと200mも登るわけですね。
P1021を過ぎるとモノレール沿いを歩くことになります。そして痩せ尾根が始まります。両端はかなり切れ立っていて、落ちたりしたら間違いなく命は無いでしょう。なのでモノレールを手すりにして慎重に進みます。
そしてここからも登りが急になるので、モノレールから手が離せません。手に錆がつきます。風も吹いてきて早く木々に囲まれた場所に出たいと思いましたが、なかなか前に進みません。
とにかく長く感じます、急斜面なので。
ついに大山北尾根との合流地点にたどり着きました。カンスコロバシ右岸尾根の終了です。山林事務所から2時間弱かかりました。
もう大山は目の前です、この緩やかで広い尾根道と合流し安心しました。のんびり進みます(というのは見栄で、かなり疲れた)。
登ってきた尾根を見下ろします。鉄塔が2つ見えますが、左側が13号鉄塔です。結構低いところにあるなぁと思ってしまいました。そして奥には丹沢の主稜が見えます。なかなか良い景色です。
このハシゴを超えれば大山です。去年の今頃に大山北尾根を登りましたので、このハシゴは2度目になります。ここまで山林事務所近くで1人とすれ違っただけで、もちろん誰とも会いませんでしたが、ハシゴを乗り越えたら急に人が多くて、そのギャップに驚きました。
以上がカンスコロバシ右岸尾根ですが、最初にも書いたように「自粛要請あり」の尾根なので、歩いておいてなんですがオススメはしません。こんなところもあるんだな程度で読んでいただけたら幸いです。
山林事務所 11:17出発
大山 13:28着
歩行距離 2.98km
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