鳩ノ巣城山・中目木山・大塚山・広沢山

広沢山

コロナ禍でしばらく山から遠ざかっていたが、去年12月ぐらいから少しずつ行くようになった。そのコロナ禍に入る前、僕は主に「多摩100山」の制覇を目指した計画を実行していたところだった。しかし96座まできたところで、コロナによる自粛期間に入って2年ほどが過ぎていった。

「多摩100山」を狙っていると、「多摩百山」と「東京里山100選」も歩くことになる。そもそもこれらの100選は誰が選んだのかよくわからんが、ヤマレコに一覧があって多くの人がこれらを狙った山行をしている。僕もここしばらくはこれらの山を選んで歩いている。

そして2022年3月20日も100選シリーズを狙った山行を実行してきた。今回はヤマレコで交流のあるH氏と共に歩いてきた。この計画こそコロナ禍になる前に計画し、2年越しでようやく実行するに至ったのだった。

鳩ノ巣城山へ

鳩ノ巣駅

鳩ノ巣駅

H氏とは鳩ノ巣駅で落ち合った。お互い、小田急線の2駅しか違わないところに住んでいるが、僕は奥多摩に行くときは登戸を経由して立川から青梅線に乗るが、H氏は町田から横浜線を使っているので、到着時間だけ合わせている。

軽く身支度をして出発。青梅街道へ出て、雲仙橋方面へ行く。

城山へのとりつき

城山へのとりつき

雲仙橋を渡ると城山への取りつきが描かれた看板があったが分かりづらく、とりあえず道を進むとすぐにこの階段が出てきた。道標のようなものが何もないので、本当にここなのかと一瞬疑ったが、地形図を見る限りではここだろうということで進んでいく。

城山への道

城山への道

最初こそ分かりづらかったものの、すぐにこのような道になりどうやら間違っていないだろうということで登って行く。思ったよりもちゃんとしている道だ。

急登

急登

見ての通り急登である。初っ端から登る登る。今回の山行でようやく気が付きましたよ、特に「東京里山100選」の山は急登と急下りのところが多い。これはここには載せていない前回とか前々回の山行も含めてそう確信した!

急登

急登

こういうかなり先の方まで見えて、かつずっと登りというのは結構ウンザリしますね。でもまだ歩き始め前半なのでまだ良いです。

H氏とはお互いの近況を話したりするなか、お互いコロナ禍によるテレワーク等の影響で体力がめっきり落ちてしまったという話になった。今回の計画は当初予定していたコースを少し変更しているのだ。恐らく歩けないだろうという理由で。

城山へ

城山へ

登って行くうちに、前方に先行者がいて、お姉さま方3名のグループだった。途中で先に行かせてもらった。「登り口すぐにわかりました?」と聞かれたが、やはりあの階段かどうかって迷いますよね。

城山山頂

城山山頂

鳩ノ巣駅からちょうど1時間ぐらいだろうか、まずは最初の目的地である城山に到着。ここは「多摩100山」、「多摩百山」、「東京里山100選」のどれにも含まれている。山頂は見ての通り木々に囲まれて眺望はない。よく眺望のない山頂をつまらないと言う人がいるが、僕はそんなことはないと思う。ただ長居はしないけど。

ちょっと立ち止まって休憩していたら山頂手前で先に行かせてくれたお姉さま方も到着。彼女たちはここでガッツリ休憩するようだった。そんな声を聞きながら我々はすぐに出発した。

中目木山へ

城山を下る

城山を下る

急登をのぼって着いた城山をさっそく下って行く。山とはそういうものだと思うものの、なんだかもったいない気分になる。それにまたすぐに登りになるんでしょとか思うし。

小楢峠を過ぎた先

小楢峠を過ぎた先の方

下りきって小楢峠(こならとうげ)を過ぎ、岩の多いところを上って行く。

ミタマ山

ミタマ山にあった不気味なもの

ミタマ山と地形図に書かれていたP691のピークで発見。「死後、冥途へ巡る深くて暗い怖い道」と書かれている。なんなんだこれは、不気味なもの下げやがって。これ以降も「南無阿弥陀仏」だの「三途の川」だのと書かれた札がぶら下がっていた。

ミタマ山ってもしかして「御霊」のことか!?

大楢峠

大楢峠

コースについては事前にヤマレコで予習してきたのだけど、城山あたりが「通行止め」という情報があったものの、どこを指しているのか分からなかったが、ここ大楢峠に来て分かった。ここから鳩ノ巣駅方面へ下る道が土砂崩落かなにかで通ることができなかった。この写真だと右側のロープがかかっているところだ。僕らは写真の奥の方からやってきた。

さらに、ここから御岳山に行く道も崩落で通行止めになっていて、ロープが張られていた。まいったな中目木山に行くにはそのロープを越えないとならないんだけど・・・。と思いながらもロープを越え、すぐとなりの尾根に登るべく斜面を進んでいった。

鍋割山北尾根へ

鍋割山北尾根へ

半ば強引に斜面を登って道らしきところに出たが、ロープをくぐった後100メートルも歩けば普通にここに出られたようだ。それにしても、行く先はかなり登っているのが分かる。

急登

また急登

写真だと分かりづらいが、結構登ってきた。下の方が見えないし。

中目木山

中目木山

中目木山

中目木山

尾根に出てしばらく歩いたらいつの間にか中目木山(なかめきやま)に着いてました。テープに「白ナギの頭」と書かれているだけで、ピークではなく尾根の途中といった趣で、一瞬気が付かずに通り過ぎてしまったぐらい。ここがなぜ里山100選に選ばれるのか謎だ。

この後、尾根を登り続けて鍋割山へ向かって行った。

鍋割山、御岳山を経て大塚山へ

鍋割山へ

鍋割山へ

中目木山を過ぎると、黒薙ノ頭を過ぎ、それ以降から急登が続く。さすがにこの辺からはくたびれてきて登りが辛くなってきた。しまいにはこのようにお助けロープが出てくるし、どんだけ登るのか。

それにしてもH氏は体力が落ちたという割には速い。まあ、一緒に行くときはいつもこんな感じではあるが。

お互い普段はソロ山行だが、たまにこうして一緒に行くようになったのは、お互いの山行スタイルが似ているからだろうか。グループでワイワイやりながら行くわけでもないし、山頂で料理を楽しむわけでもない、ただピークを目指して歩き、下山するという日帰りスタイル。

鍋割山へ

鍋割山へ

鍋割山が近づくにつれ急登は激しくなる。山ではよくあることだし、こういうのがあるからやめられないんだろうなと思う。実際登っている時は「もう勘弁して~」と思っているが。こういういかにも登っていますよ的な写真が撮れるとなぜか嬉しい。

鍋割山頂

鍋割山頂

今回の最高地点である鍋割山、1,084メートル。

これから大岳山に向かうであろう人たちが数人休憩していた。ここは「多摩100山」、「東京里山100選」に含まれるが、すでに過去2回来ているので今回はカウントしない。

鍋割山

鍋割山

鍋割山頂から我々が来た方を見ると、トラロープが張ってある。迷い込んでしまう人が少なからずいるのだろう。

奥の院

奥の院

鍋割山から歩くこと約20分、奥の院に到着。ここの手前は岩場になっていて、結構な人数とすれ違った。大岳山に向かうのだろうか。

ここで我々は休憩タイム、カップラーメンを食す。そういえば山を始めた頃はバーナーとか持っていて、お湯を沸かしていたけど、いまじゃH氏も僕もTHERMOSの山専ボトルだ。

奥の院は「多摩100山」と「多摩百山」に含まれるが、ここも過去に到達済み。

御岳山へ

御岳山へ

奥の院まではやたらと急登を登ってきたので、あとは下り基調で楽だろうと思っていたが、そうでもなかった。

まず、奥の院からの下りがこんなだったっけと思うぐらい急だった。まあここを通ったのなんて5年以上も前のような気がするので、単純に覚えていなかっただけだろう。しばらく歩き、メインロードに出たところが上の写真。ゆるやかだけど登って行くのが脚にダメージを与えだしてきた。

御岳山

御岳山

そして御岳山。これまでに何度も来ているにも関わらず、「御岳山山頂」と書かれたこれを見るのは初めてだった。御嶽神社の裏にあるのですよ。

御岳山は「多摩100山」、「多摩百山」そして「東京里山100選」はもちろん、他にもいろいろな一覧に入っているぐらい有名な山なのは言うまでもない。

御岳山から見る奥の院

御岳山から見る奥の院

御嶽神社の裏手から奥の院を見ることが出来るのだが、あんなに高く尖がってるのかと。あそこを下ったんだから、そりゃ急下りでもあるなと思う。写真よりも、実際に見たほうがもっと高く感じた。

御岳山のベンチ

御岳山のベンチ

これは御嶽神社から階段を下って行く途中にあるベンチなのですが、毎回見るたびに、カッパが何か罰を受けているように見えてしまい、とてもじゃないが座る気にはなれない。

大塚山へ

大塚山へ

御岳山の街中(?)を通り、ケーブルカー御岳山駅を過ぎて大塚山へ赴く。これだけデカい案内があればまず迷うことはないだろう。道も整備されていてとても歩きやすい。

大塚山へ

大塚山へ

左手にひときわ目立っているのは奥の院。ここでも、あんなに高いところに行って下ったのかなんて言い合っていたような気がする。「あんな高いところ」とは、山の高さうんぬんではなく、この一帯でやたらと目立つことに驚いていたのだと思う。正直いままで奥の院の高さとか意識したことがなかったんだよね。

大塚山

大塚山

しばらく歩いて大塚山に到着。ここに来るまでにすれ違った人もいれば、同じくここを目指している人たちもいた。そして山頂には結構な大人数がいて、この写真を撮るのに待ったぐらい。自分たちが写真を撮っている間にその人たちは御岳山方面へ向かって行った。

今回初めて来た大塚山は「多摩100山」、「多摩百山」そして「東京里山100選」の3つに含まれている。本日残るはあと1座。

広沢山、そして急下り

大塚山

大塚山

通常は大塚山からは写真右手方面へ延びる「丹三郎コース」から古里駅に行くものだが、我々は写真奥にある鉄塔のある方面へ向かう。目的は広沢山だ。

広沢山へ

広沢山へ

鉄塔の敷地に沿って下って行くと、右に折れるのでそれに従って進んでいく。ほぼ下りなので楽勝なんて思っていたのに。

広沢山へ

広沢山へ

たぶんこれは写真奥からやってきたところを振り返って撮ったと記憶している。この辺りから雨がすこしぱらついてきた。そう、この日は午前中は晴れだが午後は15時ぐらいを境ににわか雨の予報があったのだ。しかし御岳山あたりで14時には下山し終わるだろうからギリギリ大丈夫かななんて思っていた。

広沢山

広沢山

大塚山から20分とかからず広沢山に到着。ここも眺望は特になく、写真の文字がくりぬかれたプレートがあるのみ。ここは「東京里山100選」に選ばれている。

よし、これであとは下山だ。

急下りがはじまる

急下りがはじまる

広沢山からの下りはかなり急だ。いちおう九十九折になっているのでまだ良いが、これ真っ直ぐだったらかなり危険な場所に思えた。でもここはまだ序の口だった。

急下り

両側が切り立った崖を急下り

急な下りが延々と続くのだが、道は細くはないものの両側がかなり切り立った斜面となっているところもあって、万が一こんなところで転んで左右に落ちたら確実にアウトなところもある。

この辺りになると脚も結構疲れてきて、個人的には下るのがちょっと怖いぐらいであった。こういうときは慌てずゆっくりと下りる。

城山

城山が見えた

下っている途中で、最初に登った鳩ノ巣城山が見えた。山を歩いているといつも思うが、ああいうところを登って、さらに他のピークにも上って、ぐるっと回って反対側の尾根にいるとか、よくまあ歩いたよなと。でも距離にして10㎞とかそこらなんですよね。

金毘羅神社近く

金毘羅神社近く

以降も延々と急下りを歩き、実はこのあたりから膝が痛くなっていた。最後にここまですごい下りがくるとは思わなかった。最初の方で里山100選に選ばれている山は急登急下りが多いと書いたが、多いのではなく「つきもの」と思った。

この山行より1か月ぐらい前には八王子の恩方近辺の要倉山とか盆前山を歩いているが、ここもあり得ないぐらいの急下り(こちらは九十九折ではなく真っ直ぐ)があったし。振り返ってみるとそういうところばかりじゃないかと。まあ好きで行ってるので受け入れてますが。

朽ちた橋

朽ちた橋

で、これですよ!思い切り穴空いてるし、普通に歩けるとは思えないですね。なので橋のちょうど土の色が違うあたりから飛び越えました。着地した時に踏み抜かなくて良かった。

鉄五郎新道

鉄五郎新道

ほぼ下りてきてから判明したが、ここは「鉄五郎新道」という名称がついているようだ。プレートには「街道」と書かれているが。いつこう名付けられたのかわからないが、少なくとも新道ではないだろう。橋は朽ちてるし、道も苔むしているところが多く滑りそうなところが多い。それにしても鉄五郎さん、すごいところを道にしたものだ。

山道終了

山道終了

長かった急下りと苔むした道を抜け、この橋を見かけたときには大げさだけど「無事生還」とか思ってしまった。いや、山に行った時はどんなところでも下山後はそう思っているかな。

あとは一般の道を歩いて古里駅で終了。わずか14㎞弱の山行だけど、今の我々には十分すぎる距離だった。実はコロナ禍になる前に立てていたこの計画では、鍋割山から高岩山と上高岩山に寄ってから御岳山に移動するというものであったが、いまそれをやったら鉄五郎新道はもっとしんどかっただろう。コロナ禍と加齢で我々の基礎体力はかなり落ちているのだ。

これで、個人的な記録として、「多摩100山」は98座、「多摩百山」は86座、そして「東京里山100選」は74座となった。100山はそろそろ終わりが見えてきた。

合計距離: 14.14 km
最高点の標高: 1084 m
最低点の標高: 266 m
累積標高(上り): 1339 m
累積標高(下り): -1364 m
総所要時間: 06:28:35
Download file: 20220320_奥多摩町.gpx

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