「東京エクストリームウォーク100」の続きです。
第3チェックポイント「横浜市児童遊園地」までは順調に進んでいます。そして実はこの後からいろいろと異変が起こりました。
第4CP:ポートサイド公園まで(68㎞)
第3チェックポイントで休憩を終え、さて行くかと立ち上がろうとしたところ、脚が固まって動けません。太ももとふくらはぎの筋肉が冷えすぎて固まってしまったようです。脚をひきずるようにしてチェックポイントを後にします。
そのため、しばらくはゆっくりとしたペースで進んでいきます。後から来た人に抜かれまくりの状態。30分近くはゆっくりと歩いていましたが、脚が温まってきたら普段のペースが出せるようになりました。そんな感じで保土ヶ谷駅の前を通過し、藤棚浦舟通りの坂を上っていきます。ここの坂を上るまではこの区間での最も調子のよかった瞬間でした。
第3チェックポイントでトイレに行かなかったので、途中のコンビニのトイレを借りようと思っていましたが、なぜかその時はセブンイレブンに拘っていたので、ファミマやローソンが出てきてもスルーしていました。しかしセブンは道路の反対側ばかり、まったく出てきません。そして小腹もすいたので、ほぼ石川町に近いファミマに寄りました。それなら最初からファミマ寄れよって感じではありますが・・・。
中華街の門の前をファミマで買った肉まんを食しながら進みます。おにぎりも買ったのですが、それはチェックポイントに着いてからと思ってザックにしまいます。この時点で脚はかなりクタクタ、同じようにペースの落ちているほかの参加者も多数見かけました。
スタッフに促されて階段を上った先にこの景色が出てきて、思わず「おお~っ」と声に出してしまいました。
このほかにも夜景の美しさを見てた時は疲れも少し忘れていました。だけどすぐに現実に戻り先へ進みます。
しかし横浜の夜景がきれいで、この時は足を停めてる時間が長かったような気がします。もう歩きたくねぇ・・・と。でもリタイアはしない、そう決めているので歩きます。
第4チェックポイント、「ポートサイド公園」に着きました。ここには大きな時計を設置していません。写真を撮った時刻を見ると22:57となっているので、その5分ぐらい前に着いたかと。しかしここでついに計画から30分遅れとなりました。つまり第3チェックポイントからここまでで1時間余計にかかったことになります。
ここではカップラーメンを振舞っていたので、ひとつ頂きました。これでおにぎりも食べたら食いすぎだろうと思って、この時点では食べてません。この時点で68㎞。家人にはチェックポイントごとにLINEを送っていましたが、その時にまだマメとか足裏の心配はないと言ったものの、その後靴を履いたら(休憩中は靴を脱いで足を乾かすようにしていた)、かかとの内側に違和感があり、靴擦れの前兆のようなものがありました。ここでオロナインをガーゼに染み込ませ、テーピングで止めるというケアをしました。
第5CP:稲毛神社まで(79㎞)
出だしは前と同じように、脚の筋肉が固まっていて動かしづらいためにノロノロペースで歩きます。ここから、24時間を切るのが難しいと思うようになりました。
昼間小田原辺りで見たときは「日本橋から77㎞」と書かれていて、かなり近づいた感があります。しかしもうスピードが出ない、ゆっくり行こうという気持ちで歩いています。
しかし脚が温まると再びスピードアップできて、しかもこの区間で一時的に「ウォーキングハイ」な状態になって、とても楽に歩けるようになりました。これは第3チェックポイントや第4チェックポイントでもそれぞれ1回ずつありましたが、なんだかわからないけど、とてもスピーディーに歩けるようになるのです。個人的にはウォーキングハイと言うよりは「ゾーンに入った」と言ったほうがしっくりきますが。
歩けるうちにたくさん歩いておこうと思ったのか、この区間はあまり写真を撮っていませんでした。
恐らくそのゾーンに入った状態は50分ぐらい続いたのでしょうか、国道駅に来た時までは良い調子だったので。それにしても、歩きながらスマホのシャッターを押すものだから、せっかくの写真がぶれてしまいました。
これ以降は普通のペースで歩いていきます。普通のペースとは11分前後/km ぐらいです。
この時にザックのポケットに入れていたコカ・コーラを飲み干していたので、セブンで新たに飲み物を買い足しました。その際に少し休んでいたら、先ほどゾーンに入っていた時に追い抜いた人たちが前を通過していきます。それまではこういう時はまた追い抜いてやるぐらいの気持ちでいましたが、この時はもういいやと思って、気にしなくなりました。70㎞ぐらい歩いて、ようやくそういう気持ちになりました。
この区間は11㎞ですが、とても長く感じました。
第5チェックポイント「稲毛神社」に到着しました。時刻は2:30で計画より30分遅れです。ここでもカップラーメンを提供していましたが、さすがに続けてはいらないと思い、クラッカーと飲み物だけ頂きました。
そして前のチェックポイントで気になった靴擦れらしき箇所を見てみたら、マメのようで少しだけ水が溜まっていました。これならまだ大丈夫だろうという状態だったので、今度はワセリンを塗りガーゼを厚く重ねてテーピングで止めました。指先や足裏じゃなくて、かかとの横というのが意外でした。
第6CP:鈴ヶ森道路児童遊園まで(86㎞)
稲毛神社を出て10分ほどノロノロ歩くと六郷橋に差し掛かります、ここでようやく東京都に入りました。「東京エクストリームウォーク」というけど、90㎞近くは「神奈川エクストリームウォーク」だよなと思いながら橋を渡っていきます。次のチェックポイントまでは7㎞なので、脚が温まったらスピードを上げて前へ進んでいきます。
チェックポイントで休むたびにあとはゆっくり行くかなんて思いますが、ここも橋を渡ってからはゾーンに入ったかのように飛ばしていきます。そうは言っても時速5㎞いってたかどうか怪しいものです。
24時間を切るのは難しいなと思ったものの、気持ち的には納得いかないのか、行けるところは飛ばしていこうという思いが強く出てしまいます。脚が結構痛いというのに。
計画より20分遅れで第6チェックポイント「鈴ヶ森道路児童遊園」に到着しました。ここまでくればあとはゴール目指すだけだ・・と思ったとき「鍼打ちませんか?」と声をかけていただきました。
そう、事前に人のブログなどで鍼のサービスが受けられるというのを知っていたので、後半のチェックポイントで大いに期待していたものの、第5チェックポイントまでは無かったから今回は無いのかなとがっかりしていたところ、最後のチェックポイントで出てきました。
僕は「はい、是非!」とお願いしました。鍼を打つのは初めての体験です。
まずはどこが気になるのかを聞かれ、ふくらはぎと太腿、そして腰と伝え、腰にツボがあるのか、腰に鍼をうってもらいました。鍼が入ってきたのが分かり、何かグッと押される感じで「来たーっ」と思ったものの、それがすなわち効果なのかどうかよくわかりませんでした。
直後は脚がちょっと軽くなった感じがしましたが、正直思っていたような効果じゃなかったような気がします。伝え方が悪かったのだろうか・・・。
鍼を打ったこともあり、休憩時間が40分を超えてしまいました。
ゴールまで(100㎞)
児童遊園を出て、残りはあと14㎞。ゴールへ向けて歩きます。
実はイベント前日、平塚の東横INNではほとんど眠れず、かなり浅い眠りでそのまま朝まで迎えて、寝不足の状態でした。それでも第6チェックポイントまでは眠気も無く、体調も良く、それほど空腹感もなくといった感じでした。
ところが、第6チェックポイントを出て歩き出したら猛烈な睡魔が襲い掛かってきました。第一京浜の広い歩道を歩きながらもウトウトしながらの状態になり、なかなか前に進みません。途中見つけたベンチに腰掛けて5分ほど目を閉じてみたら少しマシになりましたが、すぐにまた眠くなります。
品川駅前でも眠くて仕方がないし、脚は前に進まないし、再び24時間以内は無理だろうと思うようになります。田町駅の近くの建物にあったベンチで休憩し、この時におにぎりをようやく食べました。
浜松町、新橋と進んでいくのですが、田町あたりから後から来た人たちにじゃんじゃん追い抜かれて、あっという間に米粒大ぐらいの大きさになるまで引き離されます。とにかくゴールしよう、それだけを考えて進みました。
第6チェックポイントから京急、そして山手線沿いを歩いて新橋を過ぎたところまで、約2時間ぐらい歩いていたでしょうか。2時間もかけていたけど、この区間は割と早く通り過ぎた気分でした。写真の横断歩道を渡るといよいよ有明に向かう道へとつながります。
しかしこの直線距離、7㎞ぐらいあるのです。Googleマップだと「ほぼ平坦」と表示されるのですが、実は川を渡る際の橋が盛り上がっていて坂道や階段を使うといった場面が多く、こうなったら得意の坂道を上るところで勢いをつけようと考えます。
ゴールの有明ガーデンまではまだかなりあります。途中の坂道で勢いをつけるべく力を出しますが、一つだけ上り切ったものの、次に出てきた坂では完全に脚が終わってしまって、進むのが精一杯でした。24時間は無理でもタイムは限りなく24時間に近づけよう、要はオーバーしても最小限にという考えで歩きます。
ここの信号で足止めを食らっている間、スタッフの方から「ここは99㎞地点、あと1㎞です」と教えてもらい、ついにここまで来たかと目頭が熱くなりました。一方で目指していた24時間を切れない悔しさも。
ん、まてよ?あと1㎞?スタートからずっと記録しているadidasのランニングアプリを見ると、23時間と50分弱。1㎞10分で行ければ24時間狙えるのではと、ここでまた諦めの悪い癖がでてしまい、最後の力を振り絞って速足で行きます。
しかし・・、速足と言っても1キロ10分ペースはすでに出るはずもなく、おまけに最後のゴール前の信号で長いこと待つはめに。
小田原から歩くこと100㎞、ついにゴール!初めての100㎞ウォークを見事完歩で終わらせることができました!
ゴールの後ろにある建物に行き、「ヴィラフォンテーヌグランド東京有明」に移動してフィニッシャー賞を受け取りました。
完歩証を受け取ったら「タイム:24時間3分」。どこかで休憩を5分ぐらい短くしておけばなどと思ったりしましたが、完歩できたので良しとします。
この後、2度目の鍼を打ってもらいましたが、今度はばっちり効果を感じました。固まった太ももとふくらはぎは柔らかくなって、歩くのも楽になりました。しかし、膝裏の筋は腫れたままで歩きづらい状態です。
反省点
脚を痛め、目標としていた24時間以内も切れなかったわけですが、どこに原因があったのか?考えてみて以下のような理由だと思います。
ペース配分をもっと均一にすべきだった
今回、第1チェックポイントまでは時速6㎞相当(10分/km)で飛ばしました。もともとの計画では時速5㎞程度(12分/km)だったのですが、先にアドバンテージを作っておこうという気になってしまい、ついついスピードをあげてしまいました。以降も第3チェックポイントまで同じような進み方をしてしまったばかりに、脚への負担が後半にきてしまったのだと考えています。
次回は時速5㎞ぐらいでキープしていくように歩きたいと思います。
周りの人に影響されすぎた
これもペースに関することですが、1人で練習しているときはずっと同じペースで進むことができたものの、いざ本番になると周りに速い人もいれば遅い人もいます。道中「この人の後ろについていくとペースが遅くなる」と思いながら追い抜くことばかり考えていたり、いちど追い抜いたのに抜かれ返すとついムキになってまた抜かしにかかったりと、競争でもないのにそんなことをしていました。
これはもっと平常心を持って、自分のペースを守るべきだと考えました。
過信しすぎた
そしてこれです、自分なら24時間は余裕で切れるだろうし、22時間以内も狙えるだろうという謎の自信があったことでしょう。50㎞以上は未知の世界だったのに、そして前半を飛ばしているのに、それを後半も続けられるのか、できなかったです。100㎞を舐めてましたねこれは。
今回、100㎞歩いて自分の実力を思い知りました。また準備しなおさないとダメですね。
総評
東京エクストリームウォークに参加できて、苦しくて疲れもしたけどとても楽しかったです。こんな挑戦もいいかなと思います。
100kmを歩き終えて、家に帰ってからしばらくは「(ウォーキングイベントは)当分いいかな」という気持ちもあったものの、翌月曜日になったら次のことを考えている自分がいます。
そして公式サイトでも、次回開催の案内がでていました。2023年6月3日と4日だそうです。雨に見舞われそうな時期ですが、またやるかもしれません。
ところで、どうでもいいけど、写真を見るとどれも斜めってますよね。疲れていて水平に撮れなかったのかな。
おまけ
ここまでの区間でトイレに行った回数:2回
- ファミリーマート 横浜大桟橋通り店
- 京急蒲田駅近く公衆トイレ
食べたもの
- 肉まん
- カップラーメン
- クラッカー
- チョコレート
- おにぎり
※次回参加する場合は、せめてラーメン屋か牛丼屋に寄ろうかな
最高点の標高: 123 m
最低点の標高: 1 m
累積標高(上り): 1519 m
累積標高(下り): -1514 m
総所要時間: 00:13:25
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