「伊勢沢ノ頭南東尾根」から檜岳山稜へ登る

西丹沢登山詳細図より

西丹沢登山詳細図より

12月24日、丹沢の檜岳(ひのきだっか)山稜を歩きました。その際に登りで歩いた「伊勢沢ノ頭南東尾根」について今回は書きたいと思います。

檜岳山稜とは

その前にまず、檜岳山稜とはどこなのかというと、丹沢の南側、東丹沢と西丹沢のちょうど中間ぐらいある、雨山、檜岳、伊勢沢ノ頭が連なる稜線のことです。僕はここを「静かなる丹沢」と呼んでいます。

山と高原地図「丹沢」より

山と高原地図「丹沢」より

近くには鍋割山もありますが、この稜線を歩く人は少ないです。理由としては稜線までのアクセスの不便さが挙げられます。最寄りのバス停は上の地図の右下に「寄自然休暇村」という文字が見えますが、それよりも下のほうにある「寄(やどりき)バス停」からになります。そこから稜線の取りつきに行くには

  • シダンゴ山をいちど登って、林道から林道秦野峠まで約2時間歩く
  • 寄大橋(上記地図で「4~5台」と書かれているあたり)から林道を歩いて林道秦野峠まで約2時間(もっとかかるかもしれない)歩く
  • ひたすら北上して雨山峠(水色の線の上部先端のところ)まで約2時間~3時間歩く

といったように、限られたルートがどれも2時間から3時間を要するのと、特に3つ目のひたすら北上するルートは沢沿いの道を行くのですが、かつては道迷いをする場所として有名でした。いまも初心者の人が1人で行くことはオススメしようとは思いません。

そんな静かなる丹沢へ、上記「山と高原地図」には載っていない道からアプローチしようというのが今回の話になります。

伊勢沢ノ頭南東尾根の取りつきまで

寄バス停

寄バス停

小田急線新松田駅より、富士急湘南バス「寄(やどりき)」行きに乗り、終点となる寄バス停です。ここは鍋割山へのスタート地点でもあり、バス結構載ってるじゃん、檜岳山稜もそこそこ人に会いそうだななんて思ったりしてみても、大半以上が鍋割山に行くなんてことはざらにあります。

北上

まずは北上

バス停からスタートし、中津川沿いに北上していきます。こんな立派な道路がありますが、交通量はほとんどないです。この日は野球少年たちが奥のほうから走ってきて何人もすれ違いました。

寄大橋

寄大橋

バス停から2.4kmほど、寄大橋を渡ります。渡らずに写真右のほうへ進むと道迷い注意の寄沢方面へ行くことができます。橋を渡るのは初めてです。

寄大橋のゲート

寄大橋のゲート

橋を渡るとゲートがあります。この林道は一般車は通れないのです。この手前に4台ぐらい停められるスペースがあります。ゲート右側より入っていきます。

林道歩き

林道歩き

このような林道をしばらく歩いていきます。林道だけでそれなりに高度を稼いでいるような感じがしました。

西丹沢登山詳細図より

西丹沢登山詳細図より

さて、ここでもう一度冒頭の地図をご覧いただきましょう。今回、この地図に従って緑色の丸で囲ったところから伊勢沢ノ頭南東尾根を登っていくつもりでした。しかし実際の場所まで行ってみても、コンクリートの擁壁がそびえ立っていて、登れる場所が見つけられませんでした。

(2023.3.30追記)
この時持っていた「西丹沢登山詳細図」は2013年発行の初版のものでした。2022年最新版だとこの部分が書き換わっています。青丸の部分から登るようになっています。

イメージ

イメージ

こんなようなところだったのです。なので来た道を戻って青色の丸で囲った場所から登り始めたのです。

取りつき場所

取りつき場所

カーブミラーと、近くに立ち入り禁止的な鎖がぶら下がっている場所、ここから登れます。

取りつき場所

取りつき場所

こんな感じの場所です。ここなら尾根に行きやすいですね。事前にヤマレコで見ていたんだけど、いつの間にか通り過ぎていました。では、ここから行きます。

伊勢沢ノ頭南東尾根の急登を行く

尾根の最初

尾根の最初

登り始めは細かい枝がたくさん落ちていて荒れた感じがしますが、すぐにこのような道になります。

尾根道

道型もはっきりしている

林業や水源林管理用の道だと思いますが、この道のおかげでとても歩きやすいですね。

檜岳がみえる

檜岳がみえる

目の前に檜岳が見えました。このあとあそこまで行くわけですが、結構登ることになりそうだとこの時気づきました。

謎の石碑

謎の石碑

しばらく歩くと、目の前に石碑が現れました。彫ってある文字はまったく読めず。一体なんなんでしょうね。

石碑のあった場所

石碑のあった場所で地図を見ましたが、僕が来た方向とは別に尾根が右下へ突き出ていますが、それをなぞっていくと、西丹沢登山詳細図で見たとりつきの場所に着きそうなんですよね。改めて、どこから登れたのだろうと疑問が湧きました。だからと言ってそこまで尾根を下って見に行く気にもなれず・・・。とりあえず先を行きます。

急登

ここからが「はじまり」

石碑からちょっと先までがまあ楽なところでした。コルを過ぎると急登が始まります。写真よりも斜面は急でした。

急登

ある程度登って見下ろしてみたところ

急登をですね、九十九折になった道をひたすら歩きます。九十九折だとなかなか進んだ気になれないんですよね。だからと言って直登できるような場所でもないし。

急登

道はちゃんとしている

道はこのようにちゃんとしているのです。しかし時々道型が薄くて、気づかずに進んだら目の前が道っぽくない場所にでるようなこともあります。

ここを登りながら、そういえば西丹沢登山詳細図ではこの「伊勢沢ノ頭南東尾根」を「熟達者向け」と記載しています。熟達者向けとはどういうことなのか考えてみました。僕が誰かにこれを説明するながら、以下の条件を挙げると思います。

  1. 地図やGPSで自分の居場所をちゃんと把握できる人
  2. 道標に頼らずに進むべき道を行ける人
  3. 歩ている道に異変を感じたらすぐに気が付ける人
  4. 自分で物事を判断できる人

ぐらいでしょうか。4つ目はちょっとざっくりしてますけどね。1も大事だけど、僕は3がとても重要だと思っています。登っているときは疲れるので足元ばかり見がちですが、常に前や周りを見て進むべき道をインプットしながら行けば、異変を感じた際にすぐに気が付くことができます。

延々と続く登り

延々と続く登り

いや、それにしても登ります。数枚前の写真と何が違うんだよって感じのアングルですが。奥のほうに青空が見えてきて、ようやく上に着くのかと思いましたが、まだまだ先でした。まるで修行です。

丹沢でありがちな道

丹沢でありがちな道

ようやく上のほうに出てきました。この手の場所って丹沢ではよくでてきますね。写真には写っていませんが、右側の木のさらに右側には柵があって、それに沿って登っていくような、そんな場所でした。

冬枯れ

まだまだ先

広い尾根です。そしてまだまだ登っていきます。いつになったら稜線への道と合流するのか。脚がかなり疲れてきました。

合流

合流

取りつき地点から約2時間、登りに登ってやっと、秦野峠からの登りの道と合流しました。これを雨山峠方面に進みます。

伊勢沢ノ頭

伊勢沢ノ頭

寄バス停から3時間強、取りつき場所からも2時間ちょっとかかってようやく伊勢沢ノ頭に着きました。これが早いのか遅いのかはよくわかりませんが、シダンゴ山や秦野峠経由で来ても同じぐらいかなといったところです。

登りが思いのほかきつく、久々に登ったこともあって脚はかなり疲れました。そして稜線では強くて冷たい風が吹いています。そんな中で檜岳山稜を歩きます。

今回はここまで、次回に続きます。

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