第56回佐久市強歩大会に参加しました

佐久市強歩大会 開会式

2025年4月19日~20日かけて、山梨県韮崎市から長野県佐久市までの78㎞を歩く「佐久市強歩大会」に参加してきました。久々のロングウォークです。

佐久市強歩大会とは

長野県佐久市と佐久市教育委員会が主催しているウォーキングイベントで、以下のような目的が掲げられています。

自己の気力の限界に挑戦し、精神の鍛錬と体力の向上を図り、経路における変わりゆく自然や地勢を知り、自然及び文化を大切に守り育てる精神を培うことを目的とする。

「第56回」というだけあって長い歴史のあるイベントです。私は昨年たまたまこのイベントのことを知り、78㎞という距離に加えて、山梨県韮崎市から最高地点の長野県の野辺山までの1000mの標高差を登っていくというところにとても魅力を感じ、これはぜひ参加したいと思った次第です。

佐久強歩マップ

パンフレットより抜粋

2月に参加申し込みが始まり、申し込み初日に郵便局でお金を振り込みました。何せ1000名ぐらいは参加するイベントです、きっとすぐ埋まってしまうだろうと思っていたので。

イベントの10日ぐらい前にビブス(ゼッケン)や反射タスキ、同意書などの一式が届きました。それまでに何度か30㎞前後のコースを設定して歩いたり、小田急線秦野駅からヤビツ峠までの坂道を登っていくなどをして脚を慣らしておきました。

4月19日は夕方16:30ぐらいに韮崎に到着し、夕食を摂ったり辺りをブラブラして受付開始の18:00まで待ちました。このイベント、21:00のスタートです。

佐久市強歩大会 開会式

開会式

韮崎小学校でのスタート前の開会式の様子です。佐久市長や韮崎市長からの言葉をいただき盛り上がります。

スタート~野辺山チェックポイントまで

佐久市強歩大会 スタート

スタート前

スタート前の様子です。ゼッケンはA~Dの4ブロックに分けられ、順番のスタートになります。最初の16㎞までは先導するペースメーカーがいるようで、その人たちより前に行ってはいけないとのこと。私はBブロックだし、そんな速くないので特に影響はありませんでした。

スタートしてから歩道を2列になって進みます。韮崎市内の夜の歩道を歩くのはとても長く感じました。コースはほぼ国道141号を歩いていくもので、7.5kmあたりを過ぎると登り勾配となり、8.5kmぐらい歩くと須玉川を渡って北杜市に入ります。徐々に高度を上げていきます。

佐久市強歩大会

セブンイレブン高根箕輪店

12㎞過ぎ、セブンイレブン高根箕輪店に到着。仮設トイレあり。ここでちょっと休憩。5㎞/hぐらいのペースで行くつもりでしたが、若干オーバーペースに感じていたものの、ここまで2時間半ぐらいだったので計画通りぐらいのペースでしょうか。

この手のウォーキングイベントは最初のほうは変に力が入ってしまいます。それで不要な疲れをもたらすという。

佐久市強歩大会

みなさん速いです

国道141号を一旦離れ、レインボーラインという道を進みます。ずっと緩やかに登っていきます。ここで結構抜かれていきましたね。ただ、無理はせずマイペースで行こうと。まだ先は長いので。

佐久市強歩大会

加藤さくらんぼ農園様の敷地に仮設トイレ

19㎞弱といったところでしょうか。仮設トイレがあったのでここでちょっと休憩。自販機で甘い缶コーヒーを飲んでリフレッシュしました。ここから大門ダムへ向かいます。

佐久市強歩大会

大門ダム

大門ダムへは坂をひたすら上ります。そしてこの写真の場所(ダム)からさらに登っていきます。結構辛かったな。いまのところ足の指に違和感があるものの、マメの類は無さそうでした。後ろを見ると多くのヘッデンの光が見えて、たくさんの人が歩いているなと改めて思ったものです。

佐久市強歩大会

国道141号と再度合流

24㎞ぐらい。国道141号と再度合流しました。

さて、スタートから5時間、夕食から8時間ぐらいが過ぎていて小腹が減りました。今回は荷物軽減のために食料はコンビニで都度調達すればいいやと考えていて、この時点でザックに入っていたのはゼリー飲料とチョコレートがちょっとだけでした。

しかし先ほどの「セブンイレブン高根箕輪店」以降、コンビニは出てきません。事前に確認しておかなかったのもよろしくないけど、これは誤算でした。そんな状態で坂道を登っていくのは結構大変でした。

佐久市強歩大会

セブンイレブン清里店

やっとの思いで着いた「セブンイレブン清里店」。同じように多くの人が利用していました。ここで甘いものを食しながら休憩、生き返りました。

が、今度は別の問題が発生。2週間前に坂道練習として歩いたヤビツ峠からの帰りに右膝を痛めてまして、それがここにきて再発したのです。これが後にブレーキになります。

佐久市強歩大会

登りは続きます

緩やかですが登りが続きます。写真に警備員のような方が見えますが、この大会ではこのような方々が横断歩道やコース上にかなりの人数がいて、我々をちゃんと導いてくれます。コース上にも白線で矢印が引いてあったり、さすが歴史あるイベントだけあってちゃんとしています。

佐久市強歩大会

長野県に突入

スタートから7時間ぐらい経った頃に長野県に突入しました。ちょっとペースとしては遅いですね。せめて6時間半以内でここに来たかった。

佐久市強歩大会

野辺山チェックポイント

スタートから7時間半、距離にして34㎞、ようやく野辺山のチェックポイントに到着しました。標高差1000mを登り切りました。このチェックポイントではカップヌードルを頂きましたが、私が受け取ったものはお湯がぬるくて麺が戻らず、硬いまま食べました。

今回は気温が暖かかったそうで、この時間でも10℃あったとか。普段はマイナスの気温だったりするようで、確かに薄い上着を羽織るだけでどうにかなりました。トイレに行く傍ら「JR最高地点」のモニュメントも見ておきました。

野辺山~佐久市まで

佐久市強歩大会

八ヶ岳

野辺山のチェックポイントで撮った八ヶ岳。早朝って感じが出ていませんか?

さて、長距離ウォークも後半に入ります。野辺山以降は基本的に下りなので、登りよりは当然スピードが出ます。しかし気がかりなのは清里手前から痛み出した膝です。ここはオーバーペースに気をつけて負担をかけすぎないように歩きました。

他の方たちはここまでの登りで結構疲れたのでしょうか、割とゆっくりめなペースの人が多かったです。歩道で抜かしていくのが難しいんですよね。しかしこういう時に道路にはみ出て抜かしていくって人をほとんど見かけなくて、参加する方々もちゃんとしているなと思いました。

佐久市強歩大会

JA長野八ヶ岳南牧営農センター

ここ八ヶ岳周辺は川上村、南牧村と高原野菜のメッカで、ここは南牧村の集荷場(?)となっている場所です。ここに来た瞬間懐かしいと思いました。なぜなら私、20代の頃に南牧村の農家に住み込みで3か月ほどバイトをしたことがあるからです。収穫した野菜をここに毎日おろしにきていたのです。そんなことを思い出しながら歩いていきました。

佐久市強歩大会

小海線

もうすぐエイドポイントの南牧村役場に到着ですが、ここで右膝に激痛が走りました。脚を前に出し着地するたびにズキンズキンと痛むのです。早くもこんなところで痛みがひどくなるとは・・。

佐久市強歩大会

南牧村役場

南牧村役場に到着、ここでバナナを頂き食す。トイレに行くなどしてから椅子に座り膝をマッサージ。すぐにスタートできず一瞬「リタイア」の文字が頭をよぎります。しかしここまで来たからいけるところまで行ってみようと思い出発。

さて、このエイドで持っていたドリンクを飲み干してペットボトルをゴミ箱に入れました。追加の飲み物が必要だなと思いましたが、役場の向かい側にセブンイレブンがあったものの、膝が痛くて道路を渡って買いに行くのがめんどくさい、途中で自販機で買おうと思い、ゆっくりと歩き始めました。

これが失敗で、道路沿いにドリンクの自動販売機が出てきません。市街地を抜けてしまうとただ道路があるだけになります。気温も上がり始めて来てこれはよろしくない状況ですね。

佐久市強歩大会

松原湖ドライブイン

南牧村役場から5㎞ぐらいは飲み物無しで歩き、松原湖ドライブインでようやくお茶を買うことができました。写真右側に救急車が見えますが、熱中症か脱水症状でしょうか、ダウンしている人がいてちょうど運ばれるところでした。

佐久市強歩大会

小海町農産物加工販売所

スタートから55㎞ぐらいの場所にある小海町農産物加工販売所でのエイド。ここでは手打ちそばが振舞われて、今回の楽しみのひとつでもありました。なのでここまでは絶対に来たいと思ってたのです。

佐久市強歩大会

おそば

これがそのお蕎麦で、とても美味かったです。正直もう1杯食べたかったなというぐらい腹が減っていましたが・・・。

休憩後のスタートでは膝が痛くてとてもゆっくりした歩みになるのですが、温まってくるとそれなりに速く歩けました。なので止まらないことだなと(そうじゃないだろって感じですが)。

佐久市強歩大会

ハッピードリンクショップ

またコンビニや自販機がなかなか出てこない区間を歩いていて、まだお茶は残っていたのですが急にレッドブルが飲みたくなり、ようやっと出てきたのが「ハッピードリンクショップ」。山梨県と長野県で多く見かける自販機の集まりです。ここでレッドブルを購入して一気に飲み干しました。

このあと、佐久市内に入り、残り10㎞程度となりました。

ラスト9㎞、膝の激痛に襲われる

佐久市強歩大会

北部消防署

佐久市に入り、チェックポイント兼エイドポイントである北部消防署に到着、ここでリンゴジュースと飴を頂き休憩。

小海町農産物加工販売所の手前で信号待ちをしているときに、「お蕎麦間に合いますかね」と声をかけていただいた方がいて、「自分も蕎麦を目指して歩いているのでたぶん間に合いますよ」みたいな会話をしたのです。その方とまたここで会ったので挨拶して休憩していたら、その彼が出発間際に私にビオレの冷タオルを差し出してくれました。「あとちょっとなので頑張りましょう」と言ってもらえてとても励みになりました。

実はこの時も膝が痛くてリタイアのことを考えていたのです。チェックポイントやエイドポイントにはリタイアした人を乗せるバスがいたりするもので、ついそんなことを考えてしまうんですよね。

あと、消防署を出発して信号の先にあるローソンでドリンクを買った際、アルバイトの若い男性から「あと少しですので頑張ってください」と声をかけてもらえたのも励みになりました。ローソン臼田店の店員さんありがとう!

佐久市強歩大会

コスモタワー

なにやらロケットのようなものが見えました。「コスモタワー」と呼ばれる展望台のようで、ここ臼田地区にはJAXAの宇宙空間観測所があるそうです。

ローソンを出発してしばらくは普通に歩けていましたが、突然膝に激痛が走り、今度は脚を前に出すのすら辛くなりました。しばらく立ち止まって曲げ伸ばしをしたり、マッサージをしましたが何をしてもダメ。今度こそ本当にリタイアかと考えました。残り9㎞を切っているのに。

さてどうしよう?右足を引きずるようにして少しずつ前に進みます。「制限時間ギリギリになってもいいから行くか」という気持ちでした。途中エイドポイントの「ホンダカーズ長野中央佐久南店」でリンゴジュースをいただき、「甲信マツダ佐久南店」で飴をいただきながら、ゆっくりと足をずって進みます。後ろを歩いていた人たちにどんどん追い抜かれていきます。

消防署からしばらくの区間は長い直線が続くところで、この区間ずっと脚をひきずり、最後のエイドポイントの野沢体育センターに来ました。子供たちがパンを提供してくれましたが、膝が痛すぎてそれどころではなく、ポカリスウェットだけいただきました。

ここでトイレに駆け込み、膝にバンテリンを塗りたくり、サポーターを装着し残りの5㎞を行くことにしました。スタートしたばかりの頃はまだ足を引きずっていましたが、バンテリンが何かしてくれたのか、急に普通に歩けるようになりました。それまでの痛みがウソのようになくなり、しかもいままでで最も速い歩きで進めます。これで一気にゴールしようと思いました。

事前に過去の記録をヤマレコ等で見ていて、終わりの方にでてくる坂や階段がキツイと書かれていたりしましたが、そこも余裕でクリアし、最後の直線も遥か先にいる人たちにおいつく勢いでラストスパートをかけました。

佐久市強歩大会

ゴール!

そして、皆さんの拍手に迎えられてゴール!最後まで歩けました。

佐久市強歩大会

踏破証

驚いたのはゴールのテープを切って体育館に入ったらすぐにこの踏破証をもらえたことです。すごいシステム。17時間かかってしまって、膝の痛みさえなければ16時間は切れたのにと思いました。

しばらく体育館内の床に座り込んでぐったりしました。膝が最後だけもったのが奇跡のようです。1週間たったいまも痛いし、整形外科にいったら「鵞足炎(がそくえん)」と診断されました。無茶はいけないと思いながらも、やはり歩けるなら歩きとおしたいんですよね。

過去に100㎞ウォーク3回、そして今回、どれも完歩していますが、75%の確率で足、脚を痛めてしまっていて、準備不足とかあとは体重が増えてしまったので負担がかかりすぎているとか、いろいろ原因があるだろうけど、次回に向けてこういった課題はクリアしていかないとならないと改めて思いました。

今回、唯一会話をした方を体育館内で探しましたが見つけられず、お礼を言い損ねました。あのとき冷タオルを頂いたことで折れかけていた心が復活したので、最後にもういちど挨拶しておきたかった。来年も参加したいと思っているので、そこでまたお会いできると信じております。

終了後、小海線で2駅乗り継ぎ、佐久平で健康ランドのお風呂に入り、高速バスで新宿へ戻りました。もっと早くゴールして、帰りは小海線の旅をしてみたいものです。

合計距離: 75.75 km
最高点の標高: 1387 m
最低点の標高: 350 m
累積標高(上り): 1466 m
累積標高(下り): -1125 m
総所要時間: 17:03:50
Download file: 20250421_track-8042571.gpx

ヤマレコにも記録をあげています。

山行記録: 第56回佐久市強歩大会
2025年04月19日(2日間) 八ヶ岳・蓼科, キャンプ等、その他 / hiroumiの山行記録

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